カルテルと談合の違いとは?意味と使われる場面をわかりやすく解説

用語・仕組み

ニュースを見ていると、「カルテル」や「談合」という言葉が出てくることがあります。

どちらも、会社同士の競争に関係する言葉として使われるため、なんとなく似た意味に見えますよね。

ただ、カルテルと談合はまったく同じ言葉ではありません。

大まかに分けると、カルテルは価格や数量などを会社同士でそろえる話、談合は入札で誰が受注するか、いくらで受注するかを事前に決める話として使われることが多い言葉です。

この記事では、カルテルと談合がどう違うのか、どんな場面で使われる言葉なのかを整理します。

なお、この記事ではニュースを読むときの参考として、一般向けに言葉の意味を整理しています。個別の会社や事案について、違反の有無を判断するものではありません。

この記事でわかること

  • カルテルと談合の基本的な違い
  • カルテルが使われやすい場面
  • 談合が使われやすい場面
  • ニュースで「疑い」と出たときの見方
  • 課徴金や排除措置命令という言葉との関係

カルテルと談合の違いをざっくり整理すると

カルテルと談合は、どちらも会社同士の競争をゆがめる行為として問題になる言葉です。

本来であれば、会社はそれぞれ自分たちで価格や条件を決め、他社と競争しながら商品やサービスを提供します。

ところが、会社同士が事前に話し合い、価格や受注先などをそろえてしまうと、利用者や発注者は本来あるはずの競争によるメリットを受けにくくなります。

そのため、カルテルや入札談合は、独占禁止法の中で問題になる行為として扱われています。

言葉 主な意味 使われやすい場面
カルテル 会社同士が価格や数量などを共同で取り決めること 商品の価格、サービス料金、生産量、販売量など
談合 入札で受注する会社や金額などを事前に決めること 公共工事、物品調達、業務委託などの入札

かなり簡単にいうと、カルテルは「市場での競争」をそろえてしまう話、談合は「入札での競争」をそろえてしまう話と考えると、違いがつかみやすくなります。

カルテルとは何か

カルテルとは、複数の会社や業界団体の関係者などが連絡を取り合い、本来はそれぞれの会社が自分で決めるべき価格や数量などを、共同で決めてしまう行為を指します。

たとえば、同じ商品を扱う会社同士が話し合い、「この商品はこれ以上安く売らないようにしよう」「来月から一斉に値上げしよう」「生産量をこれくらいに抑えよう」と決めてしまうようなケースです。

本来なら、会社ごとに価格やサービス内容を工夫して競争するはずです。

しかし、会社同士で足並みをそろえてしまうと、利用者や消費者は「安い会社を選ぶ」「条件のよい会社を選ぶ」といった選択がしにくくなります。

カルテルでよく問題になるのは、価格、販売数量、生産数量、取引条件などを会社同士でそろえるようなケースです。

ニュースでは「価格カルテル」「料金カルテル」「受注調整」といった言葉が出てくる場合もあります。

談合とは何か

談合は、主に入札の場面で使われる言葉です。

国や自治体などが公共工事や物品の購入、業務委託などを行うとき、複数の会社から条件や金額を出してもらい、その中から発注先を決めることがあります。

これが入札です。

本来の入札では、それぞれの会社が独自に金額や条件を考え、競争によって受注先が決まります。

ところが、入札に参加する会社同士が事前に話し合い、「今回はA社が取る」「次はB社が取る」「この金額より下げない」と決めてしまうと、入札の意味が大きく崩れてしまいます。

このように、入札の前に受注する会社や受注金額などを決めてしまう行為が、一般に談合と呼ばれます。

ニュースでは「入札談合」という言葉で出てくることも多いです。

カルテルと談合は何が違うのか

カルテルと談合の一番わかりやすい違いは、問題になる場面です。

カルテルは、商品やサービスの価格、数量、取引条件など、広い意味での市場の競争に関係します。

一方で、談合は入札の場面で使われることが多く、誰が受注するか、いくらで受注するかを事前に決める行為として説明されます。

つまり、カルテルはかなり広い言葉で、談合はその中でも入札に関係する場面で使われやすい言葉、と考えると理解しやすいです。

比べる点 カルテル 談合
主な場面 商品やサービスの市場 入札
決められやすい内容 価格、数量、取引条件など 受注する会社、受注金額など
ニュースでの出方 価格カルテル、料金カルテルなど 入札談合、公共工事の談合など
共通点 会社同士の競争を弱める 会社同士の競争を弱める

どちらも、会社同士が競争するはずの場面で、事前に話し合って競争を避けるような形になる点は共通しています。

ただし、ふだんニュースを読むうえでは、「カルテル=価格や数量などをそろえる話」「談合=入札で受注先や金額を決める話」と押さえておくと、かなり読みやすくなります。

「カルテル疑い」「談合疑い」と出たら違反が確定した意味?

ニュースで気をつけたいのが、「疑い」と書かれている段階です。

「カルテル疑い」「談合疑い」と報じられていても、その時点で違反が確定したという意味ではありません。

調査が行われている段階、関係先に立ち入り検査が入った段階、または公正取引委員会が事実関係を調べている段階で、報道されることがあります。

そのため、記事やニュースを読むときは、「疑い」「命令」「認定」「処分」など、どの段階の話なのかを見ることが大切です。

特に、立ち入り検査が行われたというニュースだけで、すぐに違反が確定したと受け取らない方がよいでしょう。

立ち入り検査は、事実関係を調べるための手続きとして行われることがあり、その後にどのような判断がされるかは、調査の内容によって変わります。

課徴金や排除措置命令とはどう関係する?

カルテルや入札談合のニュースでは、「課徴金」や「排除措置命令」という言葉があわせて出てくることがあります。

課徴金は、カルテルや入札談合などの違反行為を防ぐ目的で、行政庁が事業者に納付を命じる金銭的な不利益として説明されています。

排除措置命令は、違反行為をやめさせたり、競争がきちんと働く状態に戻すために必要な措置を命じたりするものです。

つまり、カルテルや談合が問題になった場合、単に「注意される」だけではなく、会社に対して再発防止の措置や金銭面の負担が求められることがあります。

ただし、課徴金や排除措置命令が実際に出るかどうかは、事案ごとの内容や調査結果によって変わります。

身近なニュースではどう読めばいい?

カルテルや談合は、ふだんの生活から少し遠い言葉に感じるかもしれません。

ただ、ニュースでは意外といろいろな分野で出てきます。

たとえば、商品の価格、物流、建設、公共工事、医療関連の業務委託、自治体の発注案件など、私たちの生活に関係する分野で問題になることがあります。

直接その会社の商品を買っていなくても、公共事業やサービス料金に関係する場合は、まわりまわって生活に影響することもあります。

ニュースで「カルテル」や「談合」という言葉を見たときは、まず次のように読むと整理しやすいです。

  • 価格や料金の話なら、カルテルに関する内容の可能性がある
  • 入札や公共工事の話なら、談合に関する内容の可能性がある
  • 「疑い」と書かれているなら、まだ調査段階の可能性がある
  • 課徴金や排除措置命令が出ているなら、行政処分の段階に進んでいる可能性がある
  • 会社名だけでなく、何をめぐる問題なのかを見る

言葉だけを見ると難しく感じますが、見るところを分けるとかなり理解しやすくなります。

派遣料金カルテルのニュースとも関係する?

カルテルという言葉は、派遣料金に関するニュースで出てくることもあります。

派遣料金は、派遣会社と派遣先企業との間で決まる料金であり、本来は会社ごとに条件やサービス内容などを踏まえて決まるものです。

その料金について、複数の会社が足並みをそろえるような行為があったのではないかと見られる場合、「料金カルテル」や「カルテル疑い」といった言葉で報じられることがあります。

派遣料金カルテルについては、別記事でも整理しています。

派遣料金カルテルとは?ニュースで見かけたときに知っておきたいこと

このようなニュースを読むときも、「カルテル=料金や条件を会社同士でそろえる話」と考えると、内容を追いやすくなります。

カルテルと談合の違いまとめ

カルテルと談合は、どちらも会社同士の競争に関係する言葉です。

カルテルは、価格や数量、取引条件などを会社同士で共同して決める行為として使われることが多い言葉です。

一方で、談合は、入札の場面で受注する会社や受注金額などを事前に決める行為として使われることが多い言葉です。

どちらも、本来あるはずの競争を弱めてしまう点では共通しています。

ただし、ニュースで「疑い」と出ている段階では、違反が確定したという意味ではありません。

そのため、カルテルや談合のニュースを見るときは、何をめぐる問題なのか、入札の話なのか、価格や料金の話なのか、今どの段階なのかを分けて読むと、内容を理解しやすくなります。

難しい法律用語として丸暗記するよりも、まずは「カルテルは価格や数量などの取り決め」「談合は入札での取り決め」と押さえておくと、ニュースの内容を理解しやすくなります。

参考にした公式情報

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